第1回「部屋選び」、第2回「ツール説明」、第3回「実技編」と経てPixiv絵チャへのデビューまですでに実施されたかと思います。特に前回の実技編でご紹介した手法について、「厚ぬり(もどき)」に関してはデキが非常にイマイチでしたので、今回補習として再度ご紹介させていただきます。
絵チャ本来は自身の画法・画風を会得してもらうことが一番です!
1.前回の復習アニメ塗りについて
まずは主線をしっかり描く!
前回もアニメ塗りをご紹介しましたが、デキがイマイチでしたので、こちらも再度ご紹介します。まず、線画の描き方ですが、前回記事で紹介したとおり、下レイヤに薄く描きます。その後、上レイヤに切り替えて主線の清書をします。それによって、下描き→清書→色塗りが2レイヤで問題なく作業できるということですね。
また、アニメ塗りに置いては主線がしっかりしていないと、絵そのものの完成度を多く左右してしまいます。絵チャでは拡大率も自由でありませんし、回転機能もないので、非常に大変ですが「気合で頑張る」しかない所になります。
色を置いてみよう!
アニメ塗りですので、境界線がハッキリした塗り方になります。塗るにあたっては、自身の心の中でどこから光当たるか?程度は決めておきましょう。基本的にはその光源となる方向と逆方向に「影色」を置くことになります。
「影色」を置く場合、何色を置くかが悩みどころです。手も足も出ないようであれば、同じ色を濃くするでもかまいません。それだけでも十分です。今回は肌の綺麗さを出したかったので、多少赤みを強くした影にしています。このあたりは実際のアニメ絵を見て、どういった色を置くか考えても良いでしょう。
髪の毛の影も考え方は同じです。ですが、アニメ塗りに置いては「立体を無視」した影の入れ方もテクニックです。このサンプルであれば、前髪の毛束は問題ありませんが、右の結んだ髪部分は立体として考えればありえない影の入り方になります。この辺は前回も書きましたが、思い切って影を入れてしまった方が、面白い絵になると思います。
ちょっとだけ流行の塗り方を取り入れてみよう!
今回のサンプルは最終作業で、髪の毛に肌と同じ色をうっすらと入れています。最近の萌え系アニメやイラストでは、こういったディフィージョンまたはグロー効果的なことをされている方が多いですね。今回は前髪の先と、結んだ髪の先っぽを薄くしています。こうすることで、顔がふわっとした印象となるような(気がします)
やり方は単純です。濃度を薄くした太目のブラシでサッサッと色を乗せるだけです。ぜひ、最後のヒト手間として取り入れてみてはいかがでしょうか?
2.「厚塗り」っぽく塗ってみる!
基本的なブラシ設定はコレです
今回ご紹介する「厚塗り(モドキ)」は、ワタシ自身がPixiv絵チャで利用しているやり方になります。なので、これを公開するとワタシのテクニックというものはなくなってしまうわけですね・・・・・。
さて、今回の紹介にあたって気にしてもらうところは、ブラシ濃度です。大体70%台にしておいてください。また、細いブラシで絵を描くと厚塗りモドキの味がまったくでません。この辺はPixiv絵チャ特有のテクニックとしてご理解ください。
選択する色味は画像に丸表示した通り、基本はパレットの左上をウロウロする形になります。あまりこの微妙な色の変化を理解しつつ、色を塗ってもらえると良いと思います。
まずは顔の基本配置をします
まずは顔の丸をザックリと描いてしまい、その後に適当に光源に対しての明るい色を入れます。別にこのタイミングで暗い色を入れたっても構いません。どちらでもいいです。単に「顔の大まかな形と、光源を決めてしまう」ことが目標です。
また「厚塗り=主線なし」的な方もいますが、今回は主線の力も借りて、短時間でそれっぽく仕上げることを目標としています。ですので、丸を塗ってから最後までを5分程度の目標感になりますね。
グリグリと塗ります!
よくあるHOWTOでは「グリグリ塗ります」「どんどん塗ります」といった実は一番知りたい箇所が、蔑ろになっている事があります。そういった意味ではコレもその類かもしれません。
左のサンプルは、その前段階から比べると「濃い影」を追加しています。また、最初に明暗で分けた肌をなじませる塗り方をしています。この「なじませ」がある程度できてしまうと、この手法は出来たことになりますね。ポイントとしては最初に塗った明暗の中間くらいの色を選択して塗るということです。「当たり前だ!」 と怒られそうですが実際そうなのです。ただ、最初に書いたとおりパレットの使用範囲は狭い範囲ですので、それらの色を選ぶのは色選択箇所は少~しだけ変わるということです!この辺の度合いは、何度か試してもらうしかない所です。
また、この塗り方を絵チャ参加者数名で試してもらった事がありました。その際に、実際にあったのは「淡くならない」という事象でした。これはPixiv絵チャのテクニックとしてしか使えませんが、この中間色を塗るときは「ブラシサイズは大きめ」にしてください。そうしないと、なじませ作業で淡い色がつきません。狭い範囲を塗っていると70%濃度が死んで100%のような濃度になりがちでした。
影に青みを入れましょう
この手法に限らず、影に対して青系をいれると単純な影としての暗さに対して、空気感が生まれたりします。そのため、ワタシもそうですが結構多くの絵描きさんがやられていると思いますので、青(実際には紫)を入れてみましょう。この際も、ブラシサイズは大きくしておかないと、元の色すら殺してしまうので注意が必要です。
真ん中のサンプルが青みを入れた絵です。右になるとそれをなじませた後の絵となります。この作業も基本的にはその前段階と同様です。ただし「青味と肌色の中間って何やねん!!」 って問題が起こります。そこで悩んだら、元の肌色をつかってブラシサイズを大きくした筆でなじませ作業を実施してください。このサンプルもそのやり方でなじませています。
ここで主線を入れてごまかして完成です!
影までいれたら、あとは仕上げです。今回は主線を入れてしまいます。本当は主線入れなくても良いくらいに濃淡をハッキリさせるのが理想的ですが、それは非常に時間かかかります。ですので、主線をいれて絵をハッキリさせてしまいます。ただ、その際にあまり強い色で主線を入れないことを注意してください。良くあるのが、目だけ色や線が濃かったりハッキリしている絵があります。それはその箇所だけ拡大して描いたりすると濃度感があわなくて、浮いたような目玉になったりします。
また、最後に表現としては一昔前になってしまいますが、鼻やほっぺに赤みをいれています。のっぺりした絵になりやすい塗り方なので、こういったポイントポイントでちょっと手を入れると良いかも知れません。入れ方は最初は強めの赤で塗ります。それから肌と赤の中間色を太目のブラシでなじませると上手くいきます。
さて、二回にわたってPixiv絵チャの 手法をご紹介してきましたが、また面白い塗り方や楽できる描きかたを見かけたり覚えたらご紹介していきたいと思います!!
Pixiv絵チャをするにはやっぱりペンタブあった方がいいですよ!